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【NBA】「仙台」を経験したNBA選手も日本へエールを送る

2011.03.18

ノシオニ(右)とジノビリ(左)にとって「仙台」は遠い土地の話ではない

日本の地震のニュースで何度も出てくる「センダイ」という都市が、5年前の夏、アルゼンチン代表としてバスケットボール世界選手権の予選ラウンドで訪れた街だとアンドレ・ノシオニ(フィラデルフィア・76ers)が気づいたのは、地震が起きてから数日経ったころだった。

「マヌ(マヌ・ジノビリ=アルゼンチン代表のチームメイト/サンアントニオ・スパーズ)と話していて、あの街が今回の地震で被害を受けた土地だということに気づいたんだ」と、ノシオニは現地時間の3月16日、ロサンゼルス・クリッパーズ戦前のロッカールームで語った。

 5年前、アルゼンチン代表は仙台で無敵の強さを見せていた。初戦のフランスに10点差で勝ち、強敵セルビア・モンテネグロにも4点差で勝つなど、5戦5勝、グループ1位で決勝ラウンドに進出した。長年同じメンバーで国際大会を戦ってきたアルゼンチンの一体感ある戦いぶりは、仙台の地に多くのアルゼンチンファンを生み出した。

「日本に行ったのはあのときが初めてだったので、とても興味深い経験だった。部屋が小さくて、多くの人が住んでいて、すべてのものが密だったのを覚えている。すばらしい思い出がたくさんある」と、懐かしそうに当時を思い出した。

 予選ラウンドの会場となった仙台市体育館も、地震直後は被災者の避難所になっていたのだと伝えると、「そうなのか。あの街が今どんな状況にあるのか、僕には想像もつかない。本当に悲しい」と声を沈ませ、「被災者の人たちにとっては大変なときだと思う。日本に行ったときのことはとてもいい思い出だし、この後はいろいろといい方向に向かうよう願うばかりだ」と、被災地に、そして日本の国民にエールを送った。

 同じ世界選手権にスペイン代表として出場したパウ・ガソル(ロサンゼルス・レイカーズ)にとっても、日本はすばらしい思い出がいっぱいある国だ。世界選手権では準決勝で右足小指を骨折して、決勝には出られなかったのだが、エースである彼の欠場にむしろチームが一丸となり優勝、松葉杖で金メダルを、そしてMVPトロフィーを受け取った。

 それだけの思い出が詰まった土地だけに、日本での惨事は遠い国での出来事とは思えなかった。

 3月14日、オーランド・マジック戦に勝利した後、試合についての囲み取材を終えたガソルに、「日本の被災地のファンに、ぜひメッセージを」と頼むと、それまでの笑顔がすっと消えて、悲痛な表情で語り始めた。

「あまりに大きな惨事に、被災地の映像を見るだけで心が張り裂けそうです。日本が今、どれだけ苦しんでいて、この先もしばらく苦しむことになるのかを、世界中の人々は理解する必要があります。私たちは、今後、皆で日本を応援し、支援していかなくてはいけないと思っています。
 日本の人たちに、すべての力を送りたいと思います。本当に大変なときで、今どういう経験をされているのか想像もできません。中には親しい人や家、すべてを失った人もいることでしょう。私の持てる力すべてを、そして心からの思いを送りたいと思います。なるべく早く復興されることを願っています」

 彼らふたりだけではない。地震が起こって以来、多くのNBA選手がツイッターやフェイスブック、ホームページなどを使って、日本を支援するメッセージを送っている。

 今回の東日本大震災で親しい人や家族を亡くした人たちにとって、まだしばらくはNBAを、スポーツ観戦を楽しむ気分にはなれないかもしれない。家を失い、避難生活でそれどころではない人も大勢いることだろう。

 でも、少し余裕が出てきたときにでも、この文章が目に留まったら、ぜひ知ってほしい。おそらく今まで遠い世界の人たちのように感じていたNBA選手たちが、まるで自分の親しい友人が苦しんでいるかのように日本に思いを馳せていてくれていることを。少しでも力になれたらと思っていてくれていることを。

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